Contemporary Art・Art

遠い場所/近い場所

遠い場所/近い場所 コレクション1

会期:2022年6月25日~2022年8月7日 
場所:国立国際美術館
主催:国立国際美術館
協賛:ダイキン工業現代美術振興財団

国立国際美術館で始まったコレクション展を見に行ってきました。ここ2年あまり、COVID19による世界中のパンデミックにより、海外への渡航をはじめ、日常の旅行、移動、外出さえも規制され、自由な行動ができなくなり、人とのかかわりあいが希薄となり、近視眼的な見方、考え方に陥りやすくなりがちな私たちの視野を広げてくれるような作品が展示されています。

現代アート作品は作り手の意図を理解して作品を鑑賞すると、より深くその作品を味わうことができます。今回は音声ガイド(300円)で10作品の解説を聞くことができます。

会場内は4つのエリアに分かれています。気になった作品をかいつまんで紹介します。
1.広い地球の上で
竹川宣彰の「迷信の地球儀」は壁に展示されている切り抜かれた地図とその前の置かれた大きな地球儀が1つの作品になっています。切り抜かれた地図は地球儀を構成している丸いボールに使われています。国境という線のない地球儀。国境問題がテーマにあります。音声ガイド借りてなかったらわからなかったです(´∀`*)ウフフ

2.東欧からロシアの作家たち
こちらでは国々や地域の情勢不安のあるなか、表現することをあきらめないアーティストの作品が展示されています。鎮魂と哀悼を表現しているクリスチャン・ボルタンスキーの「モニュメント」はこちらの美術館で以前も見たことがありますが、何度見ても考えされられる作品です。イリヤ・カバコフの天使と出会う方法は梯子とは、なんともユニーク。また、ミロスワフ・バウカの吊るされた椅子「Φ51×4,85×43×49」やユゼフ・シャイナの群れを表現した「群衆」は恐怖を感じました。ハルキウやベルリンの庶民の生活を撮影したボリス・ミハイロフの2004年~2006年に作製された作品も一見です。「この男はチェリーを詰めた袋を持って立っていた。(・・・)」男の手が赤く染まり、血にも見えます。
お隣の部屋ではアーグネシュ・セープファルヴィとチャバ・ネメシュが共同で手掛けた短い言葉が添えられた映画のストリートボードを思わせる連作の絵「キャリア」が展示されています。見る人にボード間を想像で巡ってもらう意図になっているようです。

3.新収蔵品を中心に、沖縄のまなざし
こちらは映像作品が多いエリアですが、目を引くのは壁に飾られた大小の写真。石川竜一の「絶景のポリフォニー」よりです。沖縄といえば、観光や青い海というキラキラしたイメージですが、基地問題などを抱える地元で暮らす人々の力強い写真です。生きる!というパワーを強く感じます。映像では、山崎知佳子の作品では、自らが登場し、多くにフェンスが登場します。こちらも未だ基地問題に揺れる沖縄を描いた映像だと感じます。ミヤギフトシの「The Ocean View Resort」もやはり沖縄での戦中戦後の日本人とアメリカ人の複雑な人間関係がテーマに描かれています。同時展示されていた「American Boyfriend」をアップします。一番考えさせられたエリアでした。

4.どこでもある/どこでもない場所
まずはエミリー・カーメ・ウングワレー。彼女の作品はアボリジニの世界観を描き出した抽象画「ヤム(ヤムイモ)と「私の故郷」です。松本陽子は大型絵画が2点展示されています。ピンク主体の「ベイルシェバの荒野」はカンバスにアクリル絵の具を流し、布でふき取り短時間で作成したもの。緑主体の「荒野での試み」は油絵具を使いじっくりと時間をかけて描かれたものです。比較して鑑賞するのも良いかと思います。また坂本夏子は6つの異なるアプローチで描かれた「難破船」が展示されています。
そして最後は私の大好きな大きな3次元作品!!イサム・ノグチのスチールで作製された「雨の山」 製材された木のブロックをチェーンソーで切り刻んだ戸谷成雄の「森」 オリーブの木を鉄で表現し、西洋の神話や聖書に登場する様々なオブジェを伴った北辻良央の「オリーブ・ガーデン」 スチールでありながらしなやかな線を表現された青木野枝の「Untitled」 この展示室、大好きです!!

展示室を出ると、マーク・マンダースの巨大な頭部が展示されています。(常設かしら?)タイトルは「乾いた土の頭部」となっていますが、実はブロンズ作品です!! そして壁にはカリン・ザンダーの「郵送された絵画」シリーズが数点展示されています。白い規格サイズのカンバスを郵送するとどうなるかという作品です。傷がついたり、行先のシールが添付されたり。まあ、確かに。これがアートになるんですねえ。これはよくわかりませんでした。まだまだ勉強不足かしら・・( ;∀;)

今回はインフォメーションで許可をいただくと撮影OKです。前回のコレクション展は撮影はOKだったんですが、SNSなどへの投稿は×でした。いろいろありますね。
Flyerはなく、残念でした。面白かったんだけどなあ。コレクション展だから作らないのかな?

作品リスト



音声ガイド



ギャラリー形式で↑に紹介した順番にアップします。写真をクリックすると大きな画像で表示されます。




 見た後に視野は広くなったかのお?アートに国境はないことがよくわかった展覧会じゃった。世界は1つじゃ。星3つで問題なし!!

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