Contemporary Art・Art

SYNOPTES・Solidaholic 固体中毒

SYNOPTES・Solidaholic 固体中毒
会場:TEZUKAYAMA GALLERY
会期:2023年11月24日~2023年12月23日

TEZUKAYAMA GALLERYでは、井田大介の個展「SYNOPTES(シノプテス)」が開催中です。
井田大介は1987年鳥取県生まれ、国内外で活躍する彫刻家です。彫刻という表現形式を問いながら、彫刻・映像・3DCGなど多様なメディアを用いて、目には見えない現代社会の構造や具体的な事象、そこで生きる人々の意識や欲望を視覚化してきました。
本展のタイトルでもある「SYNOPTES(シノプテス)」は、ギリシャ神話に登場する複眼の巨人「アルゴスパノプテス」と、ノルウェーの社会学者トマス・マシーセンが提唱している「Synopticon(シノプティコン)」という概念を掛け合わせた造語です。

18世紀に登場した監視システムを指す言葉「パノプティコン」の語源にもなった複眼の巨人の神話を下敷きにした、現代の彫刻が理想のマネキンとともに展示されています。ありとあらゆるところで監視下にある現代を象徴する沢山の眼・・動いている~~~がちょっと怖い。手に持つトイレットペーパーは表現する意味は違えど、横尾忠則の寒山拾得を思い浮かべました。さすが現代アートです。展示は2作品のみですが、強烈に印象に残りました。

またお隣のVIEWING ROOMでは小池一馬、今野健太、中谷ミチコ、七搦綾乃による彫刻展「Solidaholic 固体中毒」が開催されています。本展のタイトルとなっている「Solidaholic」は、作家たちが展覧会について対話を重ねる中で生まれた造語で、「固体」を意味する 〈Solid〉と、「中毒」を意味する〈Holic〉から作られているとのこと。また〈Solid〉には「確かな/〔材質・色などが〕純粋の」といった意味 もあり、“彫刻”と親和性があるワードです。

展示に参加されている4作家は、小池一馬は「陶」・今野健太は「石」・中谷ミチコは「石膏」・七搦綾乃は「木」と異なる素材を用いて彫刻を展開。一口に彫刻といっても表現方法の全く異なった作品を見ることができます。

今回女性2人に注目すると、中谷は粘土で成形した原画を石膏で型取りし、粘土を取り除いた空の雄型に透明樹脂を流し込んで充填し立体作品を完成させるというもの。見る角度や方向で見えてくる絵が異なる面白い彫刻作品です。また七搦綾乃は滅びゆく植物の断片をモチーフとする木彫作品が展示されています。見ようによっては手にも見える作品もありました。枯れた植物の形象が、人体を想起させる形態と組み合わされる「rainbows edge」シリーズではないかと思っています。

こちらのギャラリー、2回目の訪廊ですが、展示作品のレベルが高い!!作品の解説をわかりやすくしてくださるのも、いいですねえ!!すごく勉強になります。ありがとうございます。

Postcard

flyer

ギャラリー形式でSYNOPTES・Solidaholic 固体中毒の順に印象に残った作品をアップします。クリックすると大きな画像で表示されます。ブログ内の資料や写真の無断転載は禁止です。ご注意下さい。

 

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