黒宮菜菜
たましいのかたち Soul Form
会期:2023年12月9日~2024年1月28日
場所:A-LAB
主催:尼崎市
協力:Gallery Nomart
黒宮菜菜さんの個展が尼崎のA-LABで始まりました。よくお邪魔するGallery Nomartでも以前個展が開催され、作品を見たことがあり、心待ちにしていました。今回は4つある部屋のうち2つのみの利用で、展示作品も9点とかなり少なめですが・・・
今回は、彼女の独特の製作法である、キャンパスに絵を描いた上に、蜜蝋を流し、色をつけ、また蜜蝋を流すその繰り返しの途中で葦や葉、石などがサンドされるという、ミルフィーユ状態の4作品とともに、顔や頭部の小型粘土彫刻数点(こちらにも蜜蝋が使われています)と、3面の壁を使って展示された、絵物語が織られた絨毯のように見える超大型作品《ウツシキ アヲヒトクサ》をみることができます。この作品は人間や民を表す言葉として古事記で使われていた「アヲヒトクサ(青人草)」にインスピレーションをかき立てられ作成された巨大な紙の作品とのこと。( ゚Д゚)です。
油彩画は大きな作品ばかりで、一番大きなものは1950×2615mmの超大作! 使用されている色がやわらかい雰囲気のパステルカラー的な明るい色なので、遠くから見ると綺麗だな~~って思いますが、近寄ると埋め込まれた草花や、重ねられた油彩の層などを見ることができ、とても迫力があります。なんとなく油彩の香りもします。というのも、《ウツシキ アヲヒトクサ》以外は本年(2023年)に作成されたものです。
作成のコンセプトは「魂」。神話や考古学の資料などを参考にイメージを膨らませ、魂を表現するために様々な色や形を使い作品を作成されていますが、今回はさらに古代から様々な継承に託されてきた魂のイメージを模索し、グレードアップした油彩画が展示されています。鳥や馬、揺れ動く衣装の袖や領巾(ヒレ)などを油絵具、蜜蝋、植物などを使い作成された絵画は一種独特な雰囲気を醸し出しています。船に乗っているのもポイントかしら。魂を運ぶ船?人生という見えない船?考えさせられますね。
展示作品数は少なかったですが、とても見ごたえのある個展でした。
次回はGallery Nomartで「黒宮菜菜:たまのうつわ」が開催予定です。期間は2023年12月23日~2024年1月27日になります。
flyer
作品紹介
次回個展「黒宮菜菜:たまのうつわ」Postcard
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