Contemporary Art・Art

エッシャー 不思議の秘密

エッシャー 不思議の秘密
会場:佐川美術館
会期:2024年2月3日~2024年2月25日
主催:佐川美術館、NHK大津放送局、NHKエンタープライズ近畿
後援:滋賀県、滋賀県教育委員会、守山市、守山市教育委員会
制作協力:HNKプロモーション
協力:SGホールディングス株式会社、佐川急便株式会社、佐川印刷株式会社

エッシャー展が開催されていると知り、最後の飛び込みで佐川美術館に行ってきました。こちらも今日が最終日。アップがギリギリっていうかもう終わっていますね。ごめんなさい。

JR守山駅からバスで30分、ポツンとたたずむ巨大な美術館です。最終日に近かったせいか、平日にもかかわらず、かなりの人が訪れておられました。自家用車で行くのが便利な美術館ですね。こちらの美術館は展示室での撮影は禁止ですが、エッシャー展は全作品撮影可能でした。だからこそ、2時間かけてわざわざ行ったんですけどね(;’∀’)

エッシャーはオランダ人画家で、木版画、リトグラフ、メゾティントなどの版画制作で世界的によく知られています。無限を有限のなかに閉じ込めたもの、平面を次々と変化するパターンで埋め尽くしたものなど、非常に独創的な作品は現代でも見る人を不思議の世界へといざないます。それでは会場内の解説、いってみましょう~~

「1デビューとイタリア」では、初期の木版画や聖書に書かれた《天地創造の6日間》という連作、エッシャーの木版画を使用した書籍《エンブレマータ》の挿絵や、木版画の傑出したテクニックをみることができる《フンコロガシ》などが展示されています。建物は夜の方が素晴らしいと作成された《夜のローマ》と題された連作がとってもよかったです。様々なイタリアでの風景画も見ごたえがあります。年を追うごとに、線が細くなり、非常に緻密に描き込まれていて、なんでしょ?すごく几帳面な感じ?(;’∀’) 

「2テセレーション(敷き詰め)」では、その几帳面な描き方が形になって表現されている作品が展示されています。テセレーションとは、三角形、四角形、あるいは六角形がタイルのように表面に隙間なくびっしりと敷き詰められている幾何学的装飾文様を指すそうですが、数学的な図形を動物や人間に置き換え、回転させたり、反転させたりして表現されています。絵画から受けるような感受性の感動とはまた違った感動を覚えます。一言でいうと、すごい!です。

「3メタモルフォーゼ(変容)」メタモルフォーゼとは、「変身」を意味するギリシャ語由来の言葉で、ある存在へと変わっていく過程を指すそうです。エッシャーのメタモルフォーゼは、タイルが変化し連続して繋がっていくことから始まったそうです。水中の魚と空を飛行する鳥が変化していく過程を表現した《空と水》は非常に面白い作品です。白と黒だけの世界でどうやったらこんなふうに変化を描けるのかとしげしげと見てしまいました。またこちらのコーナーではエッシャーの傑作《メタモルフォーゼⅡ》という大作も展示されています。

「4空間の構造」風景の美しさにはあまり興味を示さず、空間の構造に魅了されたエッシャー。こちらでは空間にある様々な存在を1枚の絵に統合した《写像球体を持つ手》や《水たまり》《3つの世界》など、不思議な世界が登場します。不思議の深みに落ちていく~~~って感じです。

「5幾何学的なパラドックス(逆説)」このコーナーでは2次元から3次元への移行では視覚に訴えた一見理にかなっているように見えるものが、実際はあり得ない構造物を描いた《上と下》《物見の塔》など代表的な作品が展示されています。私たちが教科書などでよく目にするエッシャーの不思議絵にようやく会えました!(´∀`*)ウフフ 適当に描いているのではなく、変形遠近法を使うなど数学的見識を持ち合わせての描き方。エッシャーの真骨頂ですね。絵画としては面白みに欠けるかもしれませんが、数学の世界では大変興味深い作品の数々なんでしょうねえ。凄いなあ。

「6依頼をうけて作成した作品」非常にクオリティーの高い蔵書票やグリーティングカード、挿絵などが最後の展示です。

今回の企画展はエッシャーの初期から代表作に至るまで、150点を超える作品が展示されており、とても面白かったです。この投稿の前に紹介したさんの永井秀幸さんの3Dアートなどもそうですが、トリックアートブームを牽引してきたその画業の全容を見て取れる秀逸な展覧会だったと思います。富山県美術館と豊田市美術館にも巡回されるそうです。お近くに方はぜひ足をお運びください。

作品リスト

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