ボテロ展 ふくよかな魔法
会期:2022年10月8日~2020年12月11日
場所:京都市京セラ美術館 本館 北回廊1階
主催:読売テレビ、読売新聞社、キョードー関西、京都市
協賛:光村印刷
協力:ルフトハンザ カーゴ AG、NX 日本通運、FM802、FM COCOLO
企画制作:NTVヨーロッパ
ボテロ展に行ってきました。あらゆるものをふくらんで描く絵で有名なフェルナンド・ボテロの展覧会に行ってきました。世界中がその「ボテリズム」に魅了され人気を博していますが、日本国内ではなんと26年ぶりの開催!おっと・・それは、やばい。
混雑をさけて平日に行ってきましたが、結構見に来られていました。音声ガイドがあったので、そちらを借りてじっくりと作品を鑑賞。ふくらんで描かれる絵画は、作品自体がどれもとても大きく、少し離れて全体を見て、近寄って細かいところを見て、と2つの楽しみ方ができます。
会場内は下記のような6つのセクションに分かれていました。
1:初期作品
2:静物
3:信仰の世界
4-1:ラテンアメリカの世界
4-2:ドローイングと色彩
5:サーカス
6:変容する名画
1:初期作品
17歳の時に描かれた「泣く女」はすでにボリューミーでふくよか。若かりし頃からボテリズムの片鱗が垣間見れる作品です。
2:静物
「楽器」ではマンドリンの穴をとても小さく描くことでマンドリン全体が滑らかでかつふくよかな輪郭で表現されることを見出し、この発見が彼の作品の出発点となりました。また「黄色の花、青の花、赤の花」の3つの花の絵は色違いで同じように見えますが、花瓶が少しずつ違います。お花はとても丁寧に描かれ1つの花瓶に500個以上あるそうです。近寄ってじっくり鑑賞しましょう(*^-^*) すごいですよ!
3:信仰の世界
この展覧会最大の「キリスト」が展示されています。風刺やユーモアが加わった絵が多く、「枢機卿」の絵では、バスタブに寝転ぶ枢機卿の横でタオルケットを持った従者がとても小さく描かれ、いかに彼らが特権階級にあり、権力があったのかがよくわかる作品です。ボテロ作品に登場する人物は表情がなく、「コロンビアの聖母」では涙を流す聖母が描かれていますが、表情を見て取ることはできません。
4-1:ラテンアメリカの世界
描かれる登場人物たちは、売春婦や兵士、聖職者など様々な職業、様々な人種、一般市民から上流階級までのあらゆる人々が描かれています。「バルコニーから落ちる女」は売春婦でしょうか?黒いストッキングに派手な下着、赤いマニキュア。構図がとても面白い作品です。そしてめずらしく黒い背景に悪魔が飛び交う「夜」がこのコーナーに展示されています。ボテロ作品はカラフルな明るい絵がほとんどですが、実は黒が一番お好きだそうです。以外ですね。
4-2:ドローイングと水彩
キャンバスを反対にして鉛筆で描かれた水彩画が展示されています。ドローイングは素晴らしく、1つの線を選ぶために描かれる修正される線は青色でかかれており、作品の仕上がりの過程がよくわかる作品です。
5:サーカス
ダイナミックなサーカスを描きつつ、単に楽しいだけでなく、かかわる人々の哀愁をも描いた作品です。「赤ちゃんライオンと調教師」の隅っこに描かれているピエロ、笑っているように見えますが、よくみると悲しい顔をしています。
6:変容する名画
名画がボテロの手にかかればこんなにふくよかになっちゃいます。面白いですねえ。今回のflyerになっているモナ・リザは正面を向いていない横顔です。タイトルは「モナ・リザの横顔」。作品のタイトルは「○○にならって」とあります。○○はその絵を描いたアーティストさん。私は「マリー=アントワネット(ヴィジェ・ルブランにならって)」が好きですね。
記憶が新しいうちにアップしてみました。それぞれの作品には深い意味が込められているんでしょうが、そのふくよかさにくすっと笑い、癒される絵画でした。音声ガイドが裏話や作品の見方までも解説してくれて、大変分かりやすくお勧めです。ボテロ作品にモデルはなく、わざとふくよかに描いているのではないとの事です。最後に・・・ボテロさん、女性だと思っていました。(;’∀’)(;’∀’)(;’∀’)
flyer
作品リスト
音声ガイド
ギャラリー形式でアップします。写真をクリックすると大きな画像で表示されます。
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