Contemporary Art・Art

ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?

ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?
ー国立西洋美術館65年目の自問│現代美術家たちへの問かけ
会場:国立西洋美術館
会期:2024年3月12日~2024年5月12日
主催:国立西洋美術館
協賛:NTT ArtTechnology、DNP大日本印刷
協力:西洋美術振興財団

国立西洋美術館といえば、アート初心者の私ですら知っている有名な洋画や彫刻が展示されている美術館ですが、今回、これまで現代美術を所蔵も展示もしてこなかった当館で、初めて実験的に「現代美術」の展覧会が開催されると知り、狂喜乱舞(笑)これは何がなんでも行かねば!!と、横浜トリエンナーレの時間を削って、朝一で訪問しました。

今回は、国立西洋美術館が松方コレクションを母体とした西洋美術を日本の洋画家に伝えるための場所であったことを踏まえ、現在の同館が現代の作家にとって学びのある場であるかどうかを問うものだそうです。未来形でいいですねえ。いざお手並み拝見です。

初の西洋国立美術館、凄く重厚な建築物にビックリです。さすが国立、大きくて立派です。今回の展覧会は地下の会場です。参加作家は、飯山由貴、梅津庸一、遠藤麻衣、小沢剛、小田原のどか、坂本夏子、杉戸洋、鷹野隆大、竹村京、田中功起、辰野登恵子、エレナ・トゥタッチコワ、内藤礼、中林忠良、長島有里枝、パープルーム(梅津庸一+安藤裕美+續橋仁子+星川あさこ+わきもとさき)、布施琳太郎、松浦寿夫、ミヤギフトシ、ユアサエボシ、弓指寛治。

会場内は8つの章でわかれています。
第0章「アーティスのために建った美術館」
パネル展示を中心に杉戸博、中林忠良の作品が展示されています。こちらは序章ですね。松方コレクションならびに西洋美術館の歴史の紹介になります。

第1章「ここはいかなる記憶の磁場となってきたか?」
中林忠良、内藤礼、松浦寿夫の作品が展示されています。こちらのお気に入りは内藤礼さんの白いキャンバス《color beginning》とセザンヌの絵画を並べて展示された作品です。じっと見つめていると色が出てくるとか・・・う~~~ん難しい・・・でも面白かったです。

第2章「日本に『西洋美術館』があることをどう考えるか?」
小沢剛と小田原のどかの作品があります。小沢さんの描く、パリに拠点を得た藤田嗣治が、パリではなく南洋のバリに拠点を得たら、という「帰ってきたペインターF」シリーズに思わず(*´艸`*)。藤田嗣治さんの作品も展示されていて、対比が面白かったです。

第3章「この美術館の可視/不可視のフレームはなにか?」
美術館という枠組みそのものに着目した布施琳太郎と田中功起の展示。特に布施さんのモニターとプロジェクトしかない青い部屋の作品《骰子美術館計画》は未来の美術館はこんな感じ?冷たい感じがするわ~

第4章「ここは多種の生/性の場となりうるか?」
鷹野隆大、ミヤギフトシ、長島有里枝、飯山由貴4人の展示です。一番気に入ったのは鷹野隆大さんの展示です。現代の一般的な部屋に自身の作品とともに名画も同じように並べて展示されています。名画は美術館だけでなく見るものではない、というアピールもある?( ´艸`)

第4章と第5章のあいだに
「反幕間劇」として弓指寛治による膨大な絵画「上野公園、この矛盾に充ちた場所:上野から山谷へ/山谷から上野へ」が展示されています。本当に膨大な作品の数々。見るのが大変(;’∀’)

第5章「ここは作品たちが生きる場か?」
ルーヴル美術館で大きく欠損した状態で見つかったクロード・モネ《睡蓮、柳の反映》を刺繍によって補完を試みた竹村京の《修復されたC.M.の1916年の睡蓮》がとても見ごたえがありました。他にエレナ・トゥタッチコワの作品があります。

第6章「あなたたちはなぜ、過去の記憶を生き直そうとするのか?」
遠藤麻衣、パープルーム、ユアサエボシの作品です。う~~~ん、よくわからない・・

第7章「未知なる布置をもとめて」
杉戸洋、梅津庸一、坂本夏子、辰野登恵子の作品が、モネ、ポール・シニャック、ジャクソン・ポロックらの絵画と並べ展示されています。現代の画家たちと同館収蔵作品の比較検証ですね。ここが一番面白く、よくわかりました。この章がこの展覧会の神髄なのでは?

で、見終わって感じたこと・・・今回参加された現代の画家たちは過去の西洋美術作品を踏襲しつつ、自身のテイストを織り込み、新たな作品を制作していると思いました。私はそういう意味では西洋美術館の存在は重要であったと思いますが、今後は西洋美術だけでなく現代美術の収集も大切ではないかと感じました。
とりあえず会場内が迷路状態の上に展示作品が多すぎて、ちょっと疲れました。初めての現代アート展示だったので、頑張りすぎちゃったかな??

flyer

作品リスト


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