Contemporary Art・Art

造形作家 玉田多紀 段ボール物語

造形作家 玉田多紀 段ボール物語

会場:尼崎市総合文化センター 美術ホール(入口5階)
会期:2023年9月23日~2023年10月29日
主催:公益財団法人尼崎市文化振興財団
後援:尼崎市、尼崎市教育委員会、兵庫県、兵庫県教育委員会
助成:公益財団法人 花王芸術・科学財団
特別協賛:レンゴー株式会社

先日、平塚市美術館で開催されていた展覧会が巡回展として尼崎にやってきました!!待ってたんです~~~!!わ~~~~い!!!

この展覧会は古紙ダンボールを制作の素材とする造形作家、玉田 多紀さんの個展になります。玉田さんは、大学在学中、油絵具と筆を段ボールに持ち替え作品を作成。卒業後は指導や批評もない作家生活が始まり、美術界から取り残されたような感覚を持ちながら作成を続け15年。徐々にオファーも増えて現在に至るとのこと。まさに継続は力なりといったところでしょうか!

段ボール作品、いままでにもいろいろ他の方の作品を見た事があったのですが、会場を1歩入るなり、もうビックリ、ビックリ。まったく違う世界観に心が躍りました。ワクワクするプロローグとは、まさにこのことですね。

お出迎えは大きなカエル君とゾウとキリンのお尻!!( ´艸`) ワニやカバなどのお尻もあります。動物のお尻ばかり!!でも、くるっとまわるとそこには先ほどのゾウさんとキリンさんの正面の体が!なんと面白い展示方法!

動物の王国を抜け出すと恐竜達が待っています。空を飛行するものや、卵を抱えているものなど、まさにロストワールドの世界。実際に入れる大型の卵もあります。そして、その奥は、海!! 大きなクジラやジンベイザメ、大型魚が吊り下げれた状態で展示されているので、深海にいるような気分です。

深海を抜けだすとそこは絶滅危惧種が集う広場です。いろいろな方向からみれるようにラウンド状に展示された動物達は見事です。壁には絶滅危惧種の顔が可愛い花や木々に囲まれた額に収まり展示されています。

これだけの数の大型作品を目にすると、ちっぽけな自分を痛切に感じ、もっとおおらかに生きなきゃって思いました。廃材を使った段ボールアートや、絶滅危惧種をテーマにするなど、昨今世界中が抱えている、リサイクル問題や絶滅種の保護問題などの社会問題にも目を向けた素敵な展覧会だと思いました。作家さんは、最近作品作成よりも展示に力を入れられているようです。見て、考えて、触って楽める見事な展示です。

さて、この段ボール作品、どうやって作成されているのかが4階で2パターンビデオで紹介されています。3歳の子供さんと一緒に恐竜を作成されいるビデオがとても楽しかったです。ちなみに鑑賞用の長椅子の足が動物の足になっています。(´∀`*)

作成方法ですが・・まずは作品に見合った大きな段ボールを斜めにぐるぐる巻いたり、端っこを折ったりしながら、裏面に刷毛でどば~~っと接着剤を塗り、芯(土台)をつくります。斜めにぐるぐるすることで丸みがでるそうです。そこに同じように作成した足や手を、糊付けし、決めた位置に穴をあけて、もしくはそのまま突っ込み、大型クリップでとめて土台が完成。さらに根元の部分は肉付けするためさらに手でちぎった段ボールを重ねていきます。

この土台に、段ボールを水につけ(大型のおけに水を入れてばば~~と浸しておられました( ´艸`))3つの分解した外側の部分を、濡れたまま手で適当な大きさにちぎって土台に貼り付けていきます。真ん中の凹凸のある部分には、濡れた状態でどば~~っと接着剤を塗り、手でむぎゅむぎゅとこねます。すると粘土状のものが出来上がり、これを丸めて目にしたりされていました。作家さん曰はく、段ボール粘土!素敵なネーミングです。

そして巨大作品ばかりではありません。4階に展示されている『蓮太郎物語』シリーズでは、掌に乗るような小さな作品も展示されています。巨大でも小さくても表情豊かでとても癒されます。

今回はどの作品も撮影可能です。カエルになり切って撮影できるコーナーや、触り心地や重さが体験できるよう4階には1作品だけですが、カメレオンがいます!また5階の会場入り口でいただける会場クイズの答えも会場内のとある場所にありますよ。また1階には《祈り》と名付けられた巨大なアマビエ様が展示され、スタンプラリーも開催中と、家族連れでも楽しめる展覧会になっています。

flyer


会場クイズ&作品リスト


スタンプラリー


ギャラリー形式で印象に残った作品の写真をアップします。クリックすると大きな画像で表示されます。ブログ内の資料や写真の無断転載は禁止です。ご注意下さい。

 

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コメント

    • らっこ
    • 2023年 10月 08日 9:13am

    美術館・博物館・イベント関係の情報広場 からこちらへ飛んできました。
    楽しみにしている展覧会でしたので、記事を拝見しますます行きたい気持ちが盛り上がりました。
    ご紹介されている展覧会はいくつか訪れたので、懐かしく思い出しました。芦雪もぜひ訪問したく日程に組み込んでおります。
    また、書き込み場所がちがうのでしょうが、クルーズ体験記とても楽しく拝見しました。1泊2日程度のお試しクルーズを2回、飛鳥Ⅱで体験しました。お財布が許してくれれば、もう少し日程の余裕のあるクルーズに参加したいと願っています。
    これからも楽しい記事を楽しみにしています。

    • らっこ様
      コメントありがとうございます。わざわざこのような辺鄙な所までお越しいただき
      ありがとうございます。\(^_^)/
      館内の写真撮影ができない展覧会はアップしていないのですが、今回はどうしても
      記録として残しておきたくて、アップしました。子犬がキュート過ぎます。(;’∀’)

      「すう識」は私自身が行ったことのあるクルーズや、美術館・ギャラリー・
      展覧会などを記録として残すために始めました。どこに行っても紙類を
      持ち帰るのが好きで、整理に困り果てて・・です。( ´∀` )

      美術館・博物館・イベント関係の情報広場は参加されている方が多すぎる
      ので、35人程度の少人数ですが、参加して下さっている皆さんが、気楽に
      コメントできる「アートCAFE」というグループもやってます。
      グループ検索してみてください。投稿はオープンなのでどなたでも読めます。

      参加は大歓迎ですが、強制ではありませんので、ご心配なく。
      それでは今後ともよろしくお願いいたします。

      追伸:クルーズは私もショートクルーズのみ、それも日本船ばかりです。
      飛鳥Ⅱもいいですが、にっぽん丸もいいですよ(´∀`*)
      25年前から1年に2回ぐらい乗船していますので、何か質問など
      ありましたら、遠慮なくご連絡下さい。

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