あべのハルカス美術館開館10周年記念
円空 ―旅して、彫って、祈って―
会期:2024年2月2日~2024年4月7日
会場:あべのハルカス美術館
主催:あべのハルカス美術館、NHK大阪放送局、NHKエンタープライズ近畿、朝日新聞社
協賛:NISSHA
今回はあべのハルカス美術館開館10周年記念としてここハルカスだけの展示です。「円空仏」として世に親しまれている仏様以外にも、絵画や、書物なども展示され、円空の人となりや、生涯にわたる作風の変化を一堂に見ることができることができる貴重な展覧会になっています。会場内は5つの章に分けて円空の初期から晩年までを順を追ってたどる展示になっています。仏様なので写真撮影は禁止だと思っていたんですが、会場すぐの第1章「旅の始まり」で1作品、その後の第4章「祈りの森」では、秘仏像1体を除いてすべての作品が撮影可能となっています。なんとも太っ腹!!今までのハルカスでは考えられないわ~~~。ありがたや~~~です。
円空は江戸時代前期の修験僧・仏師・歌人で、各地に「円空仏」と呼ばれる独特の作風を持った木彫りの仏像を残したことで知られています。仏像を彫っていたのは30歳の頃から約30年間です。初期作品はお顔がスベスベの仏像で、とても丁寧な作りですが、徐々に木の持つ自然の形を取り入れ、なたとのみで大胆に彫り出す仏像に変化していきます。巨木を分割して作成されているため、背面は平らなものが多く、厚みに欠ける像ですが、荒々しいノミの跡を垣間見ることができます。仏像の表情は大胆な仕上げにも拘わらず、時に優しく、時に険しく、人を惹きつける魅力があります。できるだけ少ない線、いわば究極の線で彫り上げられた仏像は、彫り上げるというよりは、その木に宿る仏を掘り起こしているようにも思えます。
1体4時間くらいで完成するものもあったそうで、一説には生涯に約12万体の仏像を彫ったと推定されています。各地の霊場を訪れては神仏を彫り、祈りをささげていたそうで、円空仏は北は北海道・青森県、南は三重県、奈良県までおよびます。今回写真撮影が可能であった32体の仏像は岐阜県の千光寺の仏像になります。千光寺に滞在した53歳頃は、円空がもっとも充実した時期だったそうです。
わずか5センチ余りの座像から巨大な立像まで大変見ごたえのある展示でした。2か月ほどの会期ですが、ぜひ足をお運びください。一般的にみられる仏像とはまた違う魅力あふれる仏の世界に浸ってみてはいかがでしょうか?
ちなみにこんなことを書くと怒られちゃうかもしれませんが、アイヌの木彫りやトーテムポールに似ている感じがして、アートの香りがします(;’∀’)(;’∀’)(;’∀’)(;’∀’)(;’∀’)
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作品リスト
音声ガイド
ギャラリー形式で印象に残った作品をアップします。クリックすると大きな画像で表示されます。ブログ内の資料や写真の無断転載は禁止です。ご注意下さい。まだまだ紹介できていない素敵な作品があるので、ぜひ会場でご覧になってくださいね。
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